NHK-FM「海外クラシック・コンサート」2005/5/15(日)
ヘンデル:「ユダス・マカベウス」ほか司会と解説
トークの内容
放送をお聞き頂いた方、どうもありがとうございました。
同じ演目はおそらくCD発売もされると思いますが(ドイツMP&G社盤)、
既存盤ではロバート・キング盤(英Hyperion社)、堀俊輔/オラトリオ東京盤がお薦めです。
こちらまでどうぞ。公演プログラムには、私のより詳しい解説も載せてあります。
♪ ♪ ♪ テーマ音楽 ♪ ♪ ♪
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こんにちは。海外クラシックコンサートの時間です。 今日は、「ゲッティンゲン国際ヘンデル音楽祭2004」から ヘンデルのオラトリオ「マカベウスのユダ」 を中心にお送りします。 公演の録音は、北ドイツ放送協会、ご案内は 三ヶ尻正です。 ゲッティンゲン国際ヘンデル音楽祭は毎年 北西ドイツの大学都市ゲッティンゲンで開かれ、世界各地から著名な演奏家が集まって、ヘンデル作品を中心にした
コンサートやレクチャーなどが行われています。 ヘンデルは1685年ドイツに生まれ、やがてイギリスに移住して、1759年 74歳で没するまでこの国で暮しました。 ♪ ♪ ♪ (音楽〜「見よ、勇者は帰る」のサワリを流す) ♪ ♪ ♪ さて皆さん、この曲はご存知でしょうか?高校野球や大相撲の表彰式でお馴染みの 「勝利を讃える歌」あるいは「得勝歌」ですが、もとはオラトリオ「マカベウスのユダ」で歌われた合唱曲でした。 作品の舞台は紀元前2世紀のエルサレム。
それではお聞き頂きましょう。 イスラエルの女 ソプラノ オリガ・パシフニク |
♪ ♪ ♪ 第1部の演奏 〜 48分30秒 ♪ ♪ ♪
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ヘンデルのオラトリオ「マカベウスのユダ」 第1部をお聞き頂きました。
舞台装置も 演技も使わないオラトリオではありますが、 冒頭 沈痛な追悼シーンから、新しい指導者への希望が沸き上るところ、また、自由を願う穏やかな独唱重唱から、戦いへの機運が一気に高まるところなど、まるで回り舞台を見るような劇的な場面が展開されていました。 ここで演奏者をご紹介しましょう。 さて、ヘンデルは筆の速い作曲家として知られています。 さて、その第2部です。 それではお聞き頂きます。 イスラエルの女 ソプラノ オリガ・パシフニク |
♪ ♪ ♪ 第2部の演奏 〜 53分41秒 ♪ ♪ ♪
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ヘンデルのオラトリオ「マカベウスのユダ」第2部をお聞き頂きました。 第2部は起伏に富んだ展開でした。冒頭 勝利に沸く民衆の歓喜、そこから一転して敵軍再来の知らせに絶望する人々、進軍ラッパとともに 再び戦場へ向うマカベウスのユダ、信仰を取り戻し賛美を歌う人々。めまぐるしく場面が移っていきました。 この、第2部を動きのある見せ場にする というのはヘンデルがよく使った仕掛けです。 ヘンデルのオペラは通常3幕ものでした。彼はオラトリオも オペラと同じ劇場に持ち込み、2つの出来事であっても、オペラと同じように3部構成で上演しています。つまりこれにより、2つの話は半ば無理矢理3つに分けられ、前半の出来事は 第1部では終わらずに 休憩を挟んで第2部で結末を迎えます。そしてすぐに後半の物語が始まりますから、自然と第2部は出入りが激しくなり、音楽の見せ場が作れる、というわけです。 2つの出来事はどちらも休憩で途切れてしまいますが、ヘンデルはこの難点も逆に、次はどうなるのか、緊張と期待を持った状態で休憩を過ごせるように、いわばサスペンス効果として利用しています。 当時の休憩は長く、オルガン協奏曲で ヘンデルが腕前を披露するような、娯楽としての側面も強かったことを考えると 次の幕まで結末を待たせる構成は ドラマを有機的に結び付けるために大いに効果があったことでしょう。 ヘンデルは いつもこうしたドラマ構成や旋律の配置に気を配り、演奏効果を高める工夫を凝らしています。筆が速かったと前に申しましたが、思いつくままに粗製濫造していたのではなく、事前に入念な検討を行った上で 一気に書き上げる というのがヘンデル流でした。 それでは第3部をご紹介しましょう。 それではお聞き頂きましょう。 イスラエルの女 ソプラノ オリガ・パシフニク |
♪ ♪ ♪ 第3部の演奏 〜 37分15秒 ♪ ♪ ♪
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ヘンデルのオラトリオ「マカベウスのユダ」 全曲をお聞き頂きました。
出演は、イスラエルの女 ソプラノ オリガ・パシフニク 「マカベウスのユダ」は、ヨーロッパでは 「メサイア」に次いでポピュラーなオラトリオです。日本では 昭和4年に初演
と紹介は早かったのですが、残念ながら現在、演奏の機会はあまり多くありません。 海外クラシックコンサート ここまでは、「ゲッティンゲン国際ヘンデル音楽祭2004」から ペーター・ノイマン指揮による ヘンデルのオラトリオ「マカベウスのユダ」 をお聞き頂きました。 ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ さて、まだ少々時間がございますので、同じ昨年の音楽祭 ガラコンサートから、アンドレアス・ショルのカウンターテナー独唱をお聞き頂きましょう。 オーケストラは古楽団体のコンチェルト・ケルン。 ヘンデル、バッハだけでなく、あまり名前の知られていない ロカテッリやヴァンハルといった作曲家も 精力的に紹介している団体です。 そして指揮は 1991年のシーズンからゲッティンゲン国際ヘンデル音楽祭全体の芸術監督も務めているニコラス・マッギーガン。 キビキビとした演奏が印象的で、特にライブでは 奏者や歌手の実力を存分に引き出す力量の持ち主です。
続いて第2幕からのアリア 「花咲く野原で姿の見えない小鳥が」。 それでは聞いて頂きましょう。 カウンターテナー アンドレアス・ショル |
♪ ♪ ♪ アリア2曲の演奏 〜 13分40秒 ♪ ♪ ♪
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カウンターテナー アンドレアス・ショルの独唱 ニコラス・マッギーガン指揮、コンチェルト・ケルンの演奏で
ヘンデルの歌劇「ジュリアス・シーザー」から シーザーのアリア 「狩人はこっそりと静かに」 「花園で姿の見えない小鳥が」 の2曲を聞いて頂きました。 ヘンデルのオペラアリアは 高度な技術と豊かな表現力を要求します。アンドレアス・ショルは、ツヤのある美声と確かな技巧で、 シーザーの英雄らしい人物像を描き出していました。 海外クラシックコンサート 今日はゲッティンゲン国際ヘンデル音楽祭2004から |
♪ 関連サイト ♪
◆オラトリオ東京のホームページ
◇日本ヘンデル協会のホームページ
◆出版社 潟Vョパンのホームページ
◆声楽家(バス)&イタリア語ディクション専門家・森田学氏のページ